今回のテーマは、「環境」です。

茹でガエルの寓話
この話はあちこちで言われていることなので、どこかで触れたことがあるかもしれません。
科学的根拠があるのか・ないのか真偽のほどは確かではない話のようですが、説得力があるからなのでしょう、よく使われる寓話です。
生きているカエルを熱湯が入った鍋に入れると、その熱さに驚いて鍋から飛び出します。
一方で、カエルを常温の水が入った鍋に入れても、飛び出すことはありません。
この状態から、ゆっくり水を熱していきます。
水温は少しずつ上昇してきます。
しかし、カエルは水温の上昇に気づかず、もしくは、少しずつの変化に馴染んでいきます。
そして、飛び出すきっかけをつかめないまま、水(お湯)の中に居続け、その結果茹で上がってしまいます。
人間はもっと賢い?
このお話は、カエルだからそんなバカなことになるけれど、人間ならそんなことにはならない、と思うかもしれません。
しかし、このお話は、人間でも似たようなことがあるので気を付けようという、警告のために使われるお話です。
少しずつ悪化していく環境にいると、変化が少しずつのためにその変化に気づかずに、または、その変化に馴染んでしまって、気づいたときには手遅れ、身動きができなくなってしまう。
だから、変化に敏感でいよう、というような教訓のために使われるお話です。
私の場合
私には、似たような経験があります。
私は、腎臓を患って人工透析治療をしていたのですが、話はその前のことです。
腎臓の機能が 1/8 〜 1/10 くらいにまで低下してくると、そろそろ人工透析の必要性が出てきて準備を始めます。
腎臓は、体内の老廃物と余分な水分を排出する役割を担っています。
その機能が 1/8 〜 1/10 になるということは、体内に老廃物が蓄積するわけですから、全身状態がかなり悪くなります。
体調も悪くなります。
この機能低下が、1週間とか1ヶ月くらいの間に起これば、急激な体調変化を感じて、しんどくなるのでしょう。
しかし私の場合は、6年以上の時間をかけて 1/8 にまでなったので、確かに体調は良くなくなっているけれど、それほどしんどさを感じずに、生活していました。
私にはこのような経験があるので、茹でガエルの寓話に説得力を感じました。
茹でガエルを救うには
それでは、ゆっくり熱せられているカエルを助けるにはどうしたら良いのか? を考えてみましょう。
答えは、
「鍋をたたいて、驚かす。」
です。
鍋をたたくことで、カエルはびっくりして鍋から飛び出します。
温度変化に気づいていないので、他のきっかけとして鍋をたたいて驚かすことが有効なのです。
要するに、鍋の中の要因はきっかけにならなくて、鍋の外からの要因が必要だということです。
人間も、今いる環境の中だけしか見ていないと、環境の変化には気付きにくいと思います。
今いる環境の外側からの刺激を受けることが大事なんですね。
私はコーチという仕事柄、人から相談を受けるので外側からの刺激を提供できるように意識しています。
そんな中で気づいたことがあります。
鍋をたたいて驚かせて、カエルが鍋から外に飛び出したとしても、それだけで放っておくと、カエルは鍋の外よりも住み慣れた鍋の中の方が安心できるのでしょうね。
鍋の中に戻ってしまうことがあるのです。
なので、せっかく鍋の外に飛び出したら、鍋の外にいることの方が中にいるよりも安心で安全である、そして、楽しいのだということに気づかないといけないのです。
気づいていただけるようにしないといけないのです。
最初は居心地が悪いかもしれないけれど、本当は鍋の外の方が安心・安全・自由なのですから。
今日の問いかけ
あなたは、外からの刺激を受けられるように、どんな工夫をしていますか?