今回のテーマは、「習慣」です。

まずは、慣性の法則について触れておきましょう。
慣性の法則
物体に外部から力が加わらなければ、もしくは、加わっていても、その合力が0であるとき、
- 止まっているものは、いつまでも止まり続ける。
- 運動しているものは、その運動(等速直線運動)を続ける。
このことを、慣性の法則(運動の第1法則)といいます。
分かりやすい実例としては、
電車の発進時
あなたは、停まっている電車の中で立っています。
電車が発進するとき、あなたは足をすくわれるような、進行方向とは逆方向に引っ張られるような、そんな力を感じます。
これは、電車が停車しているとき、あなたは地面に対して止まっている状態です。
そして、電車が発進すると、床に接しているあなたの足は、電車と一緒に動き始めます。
ところが、あなたの体自体は、慣性の法則によって、地面に対して止まったままでいようとします。
それが原因で、先ほどのような力を感じることになるのです。
電車の減速時
あなたは、走っている電車の中で立っています。
電車が減速するとき、あなたは進行方向にひっぱられるような力を感じます。
これは、電車が走っているとき、あなたは地面に対して、電車と同じ速さで動いている状態です。
そして、電車が減速すると、床に接しているあなたの足は、電車と一緒に減速します。
ところが、あなたの体自体は、慣性の法則によって、地面に対して今までと同じ速さで、進行方向に動き続けようとします。
それが原因で先ほどのような力を感じることになるのです。
自動車のカーブ時
あなたは、直進している自動車の中にいます。
自動車がカーブを曲がるとき、あなたは遠心力を感じます。
これは、自動車が直進しているとき、あなたは地面に対して、自動車と同じように直進している状態です。
そして、自動車がカーブすると、自動車に接しているあなたの体の部分は、自動車と一緒にカーブします。
ところが、あなたの体全体は、慣性の法則によって、地面に対して、今までと同じように直進しようとします。
それが原因で、遠心力を感じることになるのです。
大玉転がし
重たい物体(大玉)をイメージしてみてください。
止まっている大玉を転がすためには、最初に大きな力が必要です。
これは、大玉が慣性の法則によって、今までと同じように、止まり続けようとしているからです。
今度は、転がっている大玉を止めることを考えてみてください。
これまた大きな力が必要です。
これは、大玉が慣性の法則によって、今までと同じように転がり続けようとしているからです。
習慣
あなたが、今までやったことがない、新しいことにチャレンジしようとするとき、そこには大きな力が必要です。
止まっている大玉を転がすのと同じことです。
このことを知っていれば、心の準備ができます。
逆に、一度習慣になってしまえば、今度は、それを辞めるのに大きな力が必要になります。
ということは、放っておいても、いつまでも続けることができるということです。
転がっている大玉を止めるのと同じことです。
そしてもう一つ、間違った習慣が身についてしまっている場合、その習慣を修正するのにも大きな力が必要になるということです。
これらの場合の力とは、「動機・理由・目的」ということになります。
何のために、それをやるのか? 何のために、それを辞めるのか?
大切な問です。
今日の問いかけ
あなたは何のために、どんな新しいことを始めますか?
何のために、どんな習慣を辞めますか?
何のために、どんな習慣を修正しますか?