コミュニケーションでも同じです。

- 相手の「心理的フィルタ」の状態に合わせた表現
- フレーミング
- 原因分析型/問題解決型コミュニケーション
目次
コミュニケーションの目的に合わせた表現
自分が伝えたいことを伝え、
「自分が望む、相手の反応」を得ること
- 自分の伝えたいことを、相手が受け取りやすいように、表現すること
- 自分が望む、相手の反応を引き出しやすいように、表現すること
相手の「心理的フィルタ」の状態に合わせた表現
相手の「心理的フィルタ」の状態に合わせた表現をしたり、情報提供したりすることです。下図にコミュニケーションの構造を示します。
- 「経験」によるフィルタ
- 「五感の情報処理の優位順」によるフィルタ
- 「確定タイプ/柔軟タイプ」によるフィルタ
- 「心配タイプ/期待タイプ」によるフィルタ
「経験」によるフィルタ
- 野球をしてきた経験があるならば、野球に喩えた話をする。
- 釣りが趣味ならば、釣りの喩え話をする。
- 将棋が得意ならば、将棋の喩えをする。
「五感の情報処理の優位順」によるフィルタ
- 視覚優位なら、視覚情報(写真や映像)を多めにする。
- 聴覚優位なら、聴覚情報(音や声など)を多めにする。
- 体感覚優位なら、体感覚情報(温度や手触りなど)を多めにする。
「確定タイプ/柔軟タイプ」によるフィルタ
確定タイプの方が、必要な情報が多くなりがちだからです。
その分、情報不足にならないよう注意が必要です。
柔軟タイプの人は、自分が必要な情報だけ、本人の都合の良いように取捨選択するので、情報過多になっても、問題になることはあまりありません。
「心配タイプ/期待タイプ」によるフィルタ
「良いことばかり言って、信用できない。」
フレーミング
同じように、伝える言葉やそれが表す内容は、そこに付けられる枠によって、そこから受ける印象が大きく変わります。
例えば、下図をご覧ください。
「デルブーフ錯視」と言われる図です。
しかし、その外側にある白い円の大きさ(枠組み)があることによって、大きさが違って見えます。
今から、あなたが受けようとしている手術の説明です。
「90%の確率で成功します。」
「10%の確率で失敗します。」
さて、あなたは、どちらの説明を受けた方が、安心できるでしょうか?
同じことを表現していますが、成功の枠を付けて表現するか、失敗の枠を付けて表現するかで、印象が変わるのを感じられるのではないでしょうか?
プレフレーミング
予め(pre-)、枠組み(frame)を設けるということです。話の冒頭部分で、これからどんな話を、どんな目的で話すのか、を説明してから、本題に入るのです。
冒頭部分の話によって、その後の話が全く同じでも、違ったことが伝わってしまいます。
例えば、社長の訓話として、
「今期前半は、予算を達成できていません。
社員全員が知恵を出し合って、後半は予算達成に向けてがんばりましょう。」
というのがあったとします。
(とっても、ざっくりした例で申し訳ないですが)
この訓話の前に、司会者が、
「社長から、今期の厳しい状況についてお話いただきます。
社長、お願いします。」
という紹介があったあとに、上記の社長訓話を聞く場合と
「社長から、みなさんへの応援メッセージをいただきます。
社長、お願いします。」
という紹介があった場合とでは、社長の話の聞こえ方、意味合いが違って感じられるのではないでしょうか?
リフレーミング
情報や出来事に対して、すでに枠組みを設けて、解釈していることに、違う枠組みを設け直すことで、新たな解釈をさせるということです。
「私は融通が利かない、頑固者なんです。
社会に出てやっていけるでしょうか?」
と悩んでいる人に対して、
「伝統を守るようなお仕事には、向いているかもしれませんね?」
と言ってあげる。
それで相手の心が軽くなれば、リフレーミング成功です。
まだすっきりしないようならば、
「あなたは、融通が利かないのではなく、意志が強いだけなのではないですか?」
など、他のフレームを試してみたら良いのです。
自分のリフレーミングに対して、相手がすでに設けている枠組や解釈に変化がなければ、違う表現でリフレーミングをやり直すことです。
ここでもやはり、「観察力」と「柔軟性」が大事でのです。
- 目先の「不快」を「快」に
- 結果の「不快」を「快」に
- 目先の「快」を「不快」に
- 結果の「快」を「不快」に
原因分析型/問題解決型コミュニケーション
- 原因分析型コミュニケーション
- 問題解決型コミュニケーション
原因究明や再発防止をするのに必要な情報を、効率的に集めることができたり、無駄に他者を責めてプレッシャーを与えなくて済んだりします。
原因分析型コミュニケーション
重大な問題が起きたときや顧客・取引先などに報告しなければならないときなど、原因究明が必要なときに使うコミュニケーションスタイルです。
原因究明に必要な情報を効率良く収集します。
問題解決型コミュニケーション
軽微な失敗をしたときなど、原因究明よりも再発防止を目指すことの方が、大事なときに使うコミュニケーションスタイル。
他者に無用なプレッシャーを与えずに、再発防止に必要な情報を効率良く収集します。
具体的に見ていきましょう。
原因分析型コミュニケーション
- 何が悪かったの? 問題は何なの?
- なぜ、こんな問題が起きたの?
- どのように失敗したの?
- なぜ、そんなことをやったの?/やらなかったの?
- 誰の責任(誰が悪いの)?
「なぜ?」
「どうして?」
おそらく、
「責められている」
そう感じてしまうと、どうしても
「言い訳」
そのためには、聞き出したいことがはっきりと伝わるような、質問にしてあげることが大切です。
「なぜ、こんな問題が起きたの?」
「こんな問題が起きた原因は何なの?」
「なぜ、そんなことをやったの?」
「そんなことをやった理由は何なの?」
「それをやったら、どうなることを期待してやったの?」
「誰の責任ですか?」
顧客や取引先に個人名を報告するかどうかは別としてですけれど。
このコミュニケーションスタイルは、このように他者にプレッシャーを与え、言い訳を引き出してしまいかねないものなので、必要に迫られたときにだけ使うのが良いと思います。
軽微な問題には、多用しない方が良いでしょう。
問題解決型コミュニケーション
「次の機会にはどうするか?」
前置き:「起きたことは、起きたこととして...」
- 今から(次回は)、具体的にどういう結果を目指しますか?
- その結果を得るためには、何をすれば良いでしょうか?
- それができているということが、どのようにして分かりますか?
- 今回のことで学んだことはなんですか?
- 次の機会に、その新しいやり方を試しているのを想像してみてください。
再発防止策を作るのに必要な情報を得るのにも有効です。
まとめ
- 相手の「心理的フィルタ」の状態に合わせた表現
- フレーミング
- 原因分析型/問題解決型コミュニケーション
あなたの理解を深めるために、ぜひお読みください。
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