今回のテーマは、「失敗への対処」です。

最初にお断り
今回の記事は、子どもがいない私が、子を持つ親御さんの気持ちや状況を知らずに、勝手なことを書いている戯言、妄言であることを、予め申し上げておきます。
とっさの出来事
先日、とある、おしゃれな商業施設のエスカレーターで、こんな出来事と遭遇しました。
女性の甲高い声の、悲鳴が聞こえたのです。
その叫び声は、おしゃれな商業施設にはそぐわないものでした。
私は驚いて、声が聞こえた方に目を向けました。
すると、目に飛び込んで来たのは・・・
2〜3歳くらいの子どもが、下りエスカレータの、中間地点より少し下くらいから、ヘッドスライディング状態で、滑り落ちてくる光景でした。
例の叫び声の主は、その子のお母さんだったのです。
お母さんは、滑り落ちていく子どもを追いかけて、エスカレーターを駆け下ります。
お母さんは、子どもが一番下の段まで滑り落ちる直前で、子どもの洋服を「ガシッ」と掴んで、引き起こしました。
一番下まで行っていたら、洋服をエスカレータに巻き込まれて、大惨事になっていたかもしれません。
が、ちょっと転んだ程度で済んで、ホッと一安心です。
投げかけた言葉
で、先ほどの悲鳴のような声は、何だったのかというと、そのお母さんが、子どもに投げかけた言葉でした。
それは、
「な~にやって~るの~よ~(何やってるのよ)!」
でした。
要するに、子どもを責める言葉でした。
その後に続いた言葉は、
「だ~から~言った~じゃな~い~
(だから言ったじゃない)」
でした。
考察
推測するに、下りのエスカレータに乗ったばかりのころ、悪ふざけをしている子どもに、注意していたのでしょう。
そしてその後、足を滑らせて、ヘッドスライディングしてしまったのだと思います。
この光景を見て、私は思いました。
「何やってるのよ!」
って、失敗して、足を滑らせて、転んで、ヘッドスライディングをしてしまったのです。
子どもにしてみたら、びっくりしていたでしょうし、もしかしたら痛かったでしょう。
本当だったら、お母さんに、
「大丈夫!? 怪我はなかった? どこか痛いところはない?」
「びっくりしたね〜。もう大丈夫だよ。」
と心配して欲しかった、優しく抱きしめてもらいたかったのではないだろうか? と。
転ぼうと思って転んだ訳ではなく、ちょっと失敗しちゃっただけ。
失敗したくて、失敗した訳ではない。
それなのに、そんなに怒らなくたって(涙)。
さらに、
「だから言ったじゃない!」
って。
コミュニケーションは
「何を言ったかではなく、何が伝わったか。」
です。
何を言ったかは、知らないけれど、それが子どもに、伝わっていたのだろうか?
推測するに、子どもは2〜3歳。
理解できるように言ったのだろうか?
そして、何が伝わっていたのだろうか?
本当に伝わっていただろうか?
伝わっていなかったとしたら、それはお母さんの問題じゃないの?
子どもにしたら、
「こんなことになるなんて、思ってもいなかった。」
というところでしょう。
お母さんの立場からすると、
- お買い物の荷物だけでなく、子どもも連れて歩くので、体力的に大変。
- 早くお買い物を済ませて帰宅して、夕飯の支度をしなくてはいけないので、時間的に忙しい。
- 子どもが、自分の思い通りに言うことを聞いてくれない。
- などなど、・・・
で、イラだってしまうことも、分からないワケではありません。
(私には子どもがいないので、本当の意味では、理解できていないですが。)
それより何より、子育ての失敗は命に関わること、そんな悠長なことはやってられない、というのも分かります。
ただ、一般的には、子どものうちは潜在意識のフタが開いていて、投げかけた言葉全てが、潜在意識にインプットされると言われています。
この出来事が潜在意識に刷り込まれて、将来、
- 楽しいことより、失敗しないことを優先する人
- 自分がやりたいことより、母親(=年長者や上司)の顔色を伺いながらでないと行動できない人
- 人前では良い子ちゃんだけど、隠れて悪さをするような人
になってしまうかもしれません。
もちろん、そうならない可能性もありますが。
そんなことを考えると、お母さんが大変なのは分かりますが、あとホンのちょっとだけ、子どもに投げかける言葉に注意を払ってみて欲しいなぁ、と思います。
今日の問いかけ
子どもが失敗したときに、あなたは、どんな言葉を選んで投げかけますか?
P.S.
この出来事を、子を持つ母である友人にシェアしたら、こんな話をしていただきました。
「子を持つ母としては、耳が痛い話です。
自分も、怒っては自己嫌悪に陥りました。
でも、その時に、子どもに謝っていたら、子どもの方が、
『大丈夫だよ、許してあげる』
と慰めてくれました。
『どっちが親?』
という感じでした。
それからというもの、子どもに対する見方が変わりました。」
素敵ですね。
子どもって、後から生まれてきただけあって、魂的には、より成熟した存在だと聞いたことがあります。
そのことを感じるエピソードでした。