今回のテーマは、「目標」です。

目標が明確なほど要注意
コーチをしていて、ときどきお会いするのが、
「もう私は、○○だけが目標なんです。」
という方です。
○○は、東大に入る、弁護士になる、社長になる、などさまざまですが。
目標が明確になっていてよろしいのですが、少し心配です。
そんなとき
「○○が達成できたら、どうなりますか?」
「○○が達成して、どうしますか?」
と質問してみます。
この質問の答に対して、また同じ質問を繰り返して、深堀りします。
そうすると、その人にとってのホントの目標が分かってきます。
例えば、医師になりたいという人の場合、
Q:「医師になって、どうしたいのですか?」
A:「たくさんの人の命を助けたいです。」
Q:「たくさんの人の命を助けたら、どうなりますか?」
A:「みんなから感謝されます。」
Q:「みんなから感謝されたら、どうなりますか?」
A:「嬉しいです。」
これは、例のために作った Q&A なので、実際にはこんな単純ではないでしょう。
それに、質問の仕方も工夫しないと、同じ事ばかり聞かれていると思われてしまい、こんなにすんなり答えを引き出せないかもしれません。
とはいえ、ほとんどの場合が、このような話の流れになります。
実際に誰かにやってみていただいたら、お分かりになると思いますよ。
そして、この例の場合、最終的には「嬉しい」という「感情」を得たいと思っているのです。
目標達成と幸せは別物である
その人は○○の目標を達成すれば、その欲しい感情が得られると思っています。
ところが、私から見ると実は○○の目標を達成しても、その感情は得られないのでは?
と思うことが多いのです。
もしそうだとすると、その人は人生を掛けて○○の目標達成に対して努力をしたのに、○○を達成したのに、それにも関わらず欲しい感情を得られない。
そうだとしたら、その人の人生は何だったの?
ということになりかねません。
それって、とても悲しいことですね。虚しいですよね。
目標を明確にするときには、そうなった後にどうなりたいのか、どのような感情を味わいたいのかを考えておくことが大事です。
逆に、欲しい感情が明確になっていれば、〇〇の目標を達成すること以外にも、その感情を得る方法を見つけることができるかもしれません。
その感情を得られることが、他にもあって、その方が手っ取り早く得られるのであれば、まずはそっちをやった方が良いのです。
そうすれば、欲しい感情を味わいながら目標に向かって進むことができます。
場合によっては、目標を達成しなくても良くなるかもしれません。
「目標達成したら、幸せになれる。」という考え方から、
「幸せを感じながら目標達成する。」という状態になれます。
ということは、すぐにでも、幸せになれるということですね。
こんな素晴らしいことはないです。
幸せになることと、目標を達成することとは、全く別の話にすることができるのです。
今日の問いかけ
今、あなたが欲しい感情は何ですか?
そして、その感情を得られる、今すぐにできることは何ですか?